☆三代目JSB☆通信

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★隆二「未来に向けて今の自分にできる新しい表現に挑戦したかった」『R』で見せた本気と遊び心①★

   


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三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーであり、ソロアーティストとして今年でデビュー6周年を迎えた今市隆二が、6月26日にNEW ALBUM『R』をリリースした。自身のイニシャルをアルバムのタイトルに据えただけに、まさにソロアーティストとしての集大成的な作品になったのかと思いきや、今回のアルバムからクリエイター陣を一新。新進気鋭の作曲家を迎え、新たな試みにも意欲的に挑んだという。取材時はコンセプト・ライブツアー『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2024 RILY'S NIGHT/LOST“R”』の真っ最中、そしてアルバムリリース直後に始まるアリーナツアー『RYUJI IMAICHI LIVE TOUR 2024 “R”ED』を控えているという多忙の中、NEW ALBUM 『R』について語ってもらった。


「REALLY LOVE」のテーマは「自分の好きなものとしっかり向き合うこと」
 
──6月26日にNEW ALBUM 『R』がリリースされます。ご自身の名前のイニシャルを冠したタイトルということで、どんな意味を込めて名付けたのでしょうか?
 
今市 自分の隆二の頭文字“R”から取ったアルバムです。今年のソロ活動はこの“R”というものをキーにしていて、失われた“R”の最後のピースを探すというストーリー仕立てで去年末にティザーを公開しました。今年の今市隆二の活動を「“R”OAD」と名付けて、というふうに、すべてにおいて“R”が入っているんですね。そういった流れがあっての今回のアルバムなので、今年の自分の活動の集大成でもあり、今の今市隆二のすべてを凝縮したアルバムになっています。
 
──今回のアルバムは収録曲すべてが“R”で始まる単語で統一しているところにもこだわりを感じますが、この構想はいつぐらいから考えていたのでしょうか?
 
今市 去年末ぐらいからざっくり考えていたんですよ。全部を“R”で始まるタイトルに限定するというのは遊び心もありますし、エンタメ的にも面白いかなと。その時はアルバムのタイトルから曲まで全部“R”始まりにしようとまでは思っていなかったんですけど、そうした方がよりエンタメ感もあるし、面白いかなということで決めました。
 
──4月に先行配信された「REALLY LOVE」はボーカルとメロディアスなラップが交差する軽やかな曲だなと感じましたが、今市さんにとってはどんな曲ですか?



今市 アルバムを聴いていただけるとわかるんですが、今まで培ってきたものは残しつつ、サウンド面ではガラッと変わえてるんですよね。新しくて若いクリエイターをアルバムの制作陣に迎え入れたりもしていて。新たな表現に挑戦したアルバムの1発目がこの「REALLY LOVE」です。この曲は、今までの自分はやってこなかったようなサウンドなので、今年の自分の活動を象徴する曲になりました。今までもラップのようなものは少しやってはいたんですけど、今回みたいに全面歌ラップっぽいの初めてでしたね。でも出来上がりにはすごく満足していますし、ライブでやるとまた楽しくて、お客さんもすごく盛り上がってくれるので、本当にやってよかったです。リリックには自分のパーソナルな部分も入れさせてもらっていて、かつ言葉遊び的な部分もあるんですよ。「ブライアンにコールL.A.でPizza Party」とか、聴いているだけで楽しそうなワードが散りばめられていて、やっていてすごく楽しいなって思いましたね。
 
──MVもそうですが、歌詞を見ていてもなんとなく映画を観ているような感覚を覚えました。
 
今市 曲を作る時、YVES&ADAMSの2人と僕の3人であれこれ話し合いながら作るんですね。そういう時って映画を流しながら話をすることが多くて、映像を観てインスパイアされてリリックを作ったりもするので、リリックに映画っぽさがにじむというのはあるかもしれないですね。
 


──北山宏光さんとのコラボバージョンもアルバムには収録されていますが、どんな経緯でコラボすることに?
 
今市 ミツとはもう7、8年の付き合いで、よく食事に行ったり、一緒にお酒を飲んだりする仲なんですよ。昔からお酒を飲みながら「何か面白いことしたいよね」って話していて。彼もいろいろと環境が変わって、このタイミングなら2人が思っていたこと、面白いこともどんどんできるんじゃないかなというので、お声がけさせてもらいました。前にも自分のラジオ番組に出演してくれたことがあるんですよね。それで、今回も「一緒にやらない?」って聞いたら即「OK」してくれました(笑)。
 
──即快諾だったんですね。
 
今市 そうですね。自分から「やろうよ」と言って、すぐに向こうからも「いいよ、やろうよ」と言ってくれて。そこから具体的な話をさせてもらったんですけど、納期まで時間がなかったから、がんばってスケジュール調整してくれました。タイミングが1週間ズレてたら実現しなかったかもしれないんですよ。でも、向こうもちょうどドラマの撮影が終わった頃だったみたいで、タイミングがよかったですね。
 
──北山さんからは今回のコラボについては何か感想はありましたか?
 
今市 もともと何か面白いことをしたいよねと話していたので、声をかけた時は「すごくいいね」という感じでした。海外だと既存の曲をフューチャリングすることはけっこうラフに行われていて、そういうイメージでやりたいんだよねという話もして。楽曲も、「REALLY LOVE」で一緒にやりたいというのと、自分がイメージするものも伝えさせてもらいました。他の曲も考えたんですけど、自分のイメージ的にこの「REALLY LOVE」がミツのイメージには合う曲だろうし、ミツが参加してくれることでさらに楽しめる曲になるんじゃないかなと思ったんですよね。リリックに関しては、こちらの作り方を話した上でどうやって作ろうかと相談したら、ミツからは全面的に任せると言ってもらったので、自分が思う北山像をYVES&ADAMSにお伝えして、リリックを書いてもらいました。海外だと既存の曲にフューチャリングすることも、その人に合わせて新たにリリックを書くこともけっこう普通にあることなんですよ。ラップパートが追加されたり、2番はフィーチャリングするアーティストがメロディを変えて歌ったり。
 
──「ドームのステージ終わりでSushi」といった、ユニークだけど想像して思わずニヤリとしてしまうリリックが付け足されてますよね。特に北山さんにあてて書いたパートはありますか?
 
今市 やっぱりドームに立てるアーティストって限られてるじゃないですか。そういった中で、ミツもドームに立ってきた人ですし、寿司にもよく行くので。「ドームのステージ終わりでSushi」ってかなりのパンチラインですよね。寿司って日本が世界に誇れる食だし、ワードとしてもパンチがあるし、シャレが効いてる感じもあって、すごく好きなパートです。ただ、好きではあるけど、自分ではこれは歌えないなって感覚的に思うんですよね。ミツがやるからアリなのかなって。2番のリリックは全体的に好きですね。さっきも言いましたが、ミツとは7、8年の付き合いになるんですけど、自分はこの世界でそんなに友達ができるタイプではないんです。(友達がたくさん)できる人もいるかもしれないけど、少なくとも自分とミツはそういうタイプではなかったんですよね。でも、そんな2人がたまたま出会って、仲よくなって、という2人の関係値もこのリリックから感じ取れると思うので、すごく気に入ってます。
 


──いい友人同士なんだろうなということをリリックからも感じられました。アルバムに収録されている他のトラックについてもどんな曲なのか教えてください。まずは1曲目の「RED」から。
 
今市 アルバムタイトルの“R”は自分自身、今市隆二を表しているんですけど、1曲目の「RED」も今市隆二を象徴するワードです。三代目 J SOUL BROTHERSでのメンバーカラーが赤ですし、「RED」という字面もすごく好きなので、だいぶ前から「RED」というワードで表現したいなというのは考えていたんですよね。6月末から始まるアリーナツアーのタイトルも「”R”ED」なんですけど、そのツアーのタイトルを使った曲なので、今市隆二を表現した“R”というアルバムの中でも、特に今市隆二を表現した曲がこの「RED」ですね。だからきっと、アリーナツアーを象徴する曲になるんじゃないかなと思っています。この曲は、気合いですね。ホールツアー『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2024 RILY'S NIGHT/LOST”R”』はストーリー仕立てで、映像を駆使したライブになっているんですけど、アリーナツアー『RYUJI IMAICHI LIVE TOUR 2024 “R”ED』はがっつりパフォーマンスしていこうという気持ちがすごく強いので、そういう自分のアリーナにかける想い、みたいなものが強く出た曲です。

──2曲目は「RHAPSODY」。
 
今市 これは今やってるホールツアー『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2024 RILY'S NIGHT/LOST“R”』の1曲目の曲なんですよね。昨年末にティザーを公開して、2024年に今市隆二がどういう活動をするかという世界観を提示させてもらって、その世界を引っ提げた中でのホールツアー1発目の曲なので、すごく情熱的な楽曲になっていて、好きです。「RHAPSODY」という単語の意味は「狂詩曲」。「狂詩曲」らしく予定調和じゃないメロディが入り交じっていて、もしかしたら不協和音になるかもしれないけど、だけどすごく魅力的で惹かれ合う、という情熱的なラブソングを作りたくて作った曲です。
 
──4曲目は「RENDEZVOUS」ですね。
 
今市 今年からクリエイター陣を一新して、avexのプロデューサーも替わったんですけど、その彼が連れてきてくれたのがw.a.uというチームで、彼らと組んで作った曲です。w.a.uチームは今、大学生なんですけど、サウンドの解釈がすごく面白くて、楽曲面で自分の新たな一面を表現できた曲だと思います。この曲も、言ってしまえばラブソングではあるんですけど、w.a.uチームが歌詞も作ってくれていて、すごく面白いんですよ。若い子たちの感覚っていうのか、メッセージ性よりもどちらかというと聴感上の方を重視しているというか。ここのフレーズにはこの言葉の母音がほしいとか、けっこうロジカルな組み立て方をしていて、話をしていて面白いんですよね。サウンドの解釈がめちゃくちゃ今時だなという感じで。一緒にやっててすごく刺激的でした。この曲を作る上でのキーワードは、マイケル・ジャクソンです。自分がマイケル・ジャクソン好きなので、彼の要素をクリエイターチームで解釈して作ってほしいとオーダーしたんですよ。キャッチーさもありつつ、マイケルっぽさもあって、すごく聴きやすい曲になりました。ドライブ中に聴くのに合いそうだなと思います。
 
──5曲目は「RIDE」。
 
今市 これもラブソングなんですけど、「RIDE」というタイトルの曲らしく、歌詞にバイクだったりエンジンというワードが出てきたり、都会的な楽曲になってると思います。この曲は基本的にw.a.uチームのディレクションでやらせてもらったという感覚が強いです。曲を聴いてもらうとわかるんですけど、聴感上をすごく意識してるんですよね。「走れ」というワードに対してもそういうハメ方をするんだとか、自分でも発見が多くて、今までやってきたことがないスタイルの曲です。今回はアルバムのタイトルが“R”で、まさしく今市隆二を表現したアルバムにしようという意識は最初からあったんですけど、いろいろ考えて制作していく中で、常に挑戦してきたのが自分なのかな、と思ったんですよね。今回、クリエイター陣を一新させてもらって、楽曲も新たなトライをさせてもらっているんですけど、だから今回のアルバムは今までの今市隆二を表現してるというよりは、未来に向けて、今の自分にできる新しい表現をやっている、という感じですね。
 
──6曲目、「RE:MIRACLE」については?
 


今市 だいぶ前からゴスペルの曲をやりたい思っていたんですよ。ブラックミュージックが好きで、R&Bやいろんなアーティストを掘っていくと、育ちがチャーチ(教会)という人が多かったりするんですよね。自分もLAによく行っていた頃、実際に教会に行かせてもらって、雰囲気を肌で感じて、すごく素晴らしいんですよ。それで、いつかやりたいと思っていたのが今回叶った、という曲です。そしてこのアルバムを締めくくるエンディングという立ち位置の曲でもあります。タイトルの意味は「奇跡再び」で、希望的な物言いかもしれないですけど、奇跡みたいなことって何度でも起こり得ると思うんですよね。実際、自分も何度も経験してきましたし。いろんな壁にぶつかって、どうしようもなくなっても、そこを踏ん張って、耐えて…。その時は、自分が思い描いていた夢がすごく遠くに感じていたんですけど、その壁を耐えたら、前に思い描いていた夢って叶ってるな、と感じる瞬間が意外とあったりするんですよ。きっと人生ってそういうことの繰り返しなのかって思うんですよね。すべての出来事には絶対に意味があると思っているので。自分は2番の歌詞を書いているんですけど、自分の人生観を歌った曲でもありますね。奇跡って、普通に考えたらなかなか起きないものかもしれないけど、でも、振り返ってみると実は奇跡ってけっこう起きてたんだな、と思える曲です。


→続く


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