☆三代目JSB☆通信

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★ 今市隆二が語る『ECHOES of DUALITY』全曲解説 ★

   


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11月16日からスタートしたドームツアー「三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2024 “ECHOES OF DUALITY”」と連動する形でリリースされた最新アルバム『ECHOES of DUALITY』。全10曲すべて新曲で、ヒップホップ/R&Bシーンで活躍しているプロデューサーやクリエイターが多数参加。サウンドのフォーマットは新しいのに、三代目 J SOUL BROTHERSの陰と陽の個性をあらためて掘り下げたような、ある種原点に向き合う構図になっているのも面白い。かつてJ-POPの頂上にいた三代目が、自分たちの置かれた環境に甘んじることなく、音楽的な進化をみずから選んだのはなぜか? ボーカリストの今市隆二にオンラインでインタビューを実施した。

ーアルバム『ECHOES of DUALITY』は、三代目のターニングポイントと言ってもいいくらいの大きな変化を感じさせる作品ですが、2024年3月にリリースした前作『Land of Promise』から今作までの間、グループにはどのような動きがあったのでしょうか。

今市:ずっと新しいクリエイターを欲していたんです。今年は良い出会いやタイミングが重なって、音楽はもちろん映像面でもYUANN(kidzfrmnowhere.)さんというディレクターを迎えられて、新鮮で満足がいくものが作れました。何か新しいことをやるっていうのは、自分たちのモチベーションにも繋がると思うので、ここまでいい流れを作れていると思います。

ー先行で配信されたアルバム1曲目の「BLAZE」は、まさに「一新」というイメージがピッタリの曲ですが、どのような狙いやアイデアがありましたか?

今市:ここまで攻めたテイストのヒップホップはやったことがなかったので、コンセプトやイメージを一新する意思表示にもなるなと。デモの時点では、自分たちが歌入れをしてどう仕上がるのかが未知数だったけど、リリック面も含めて様々なトライをしてベストを導き出しました。

今市:ここまで攻めたテイストのヒップホップはやったことがなかったので、コンセプトやイメージを一新する意思表示にもなるなと。デモの時点では、自分たちが歌入れをしてどう仕上がるのかが未知数だったけど、リリック面も含めて様々なトライをしてベストを導き出しました。

今市:今作に色んなジャンルやテイストの曲がある中で、「TOKYO BLACK HOLE」は割とイメージがしやすい曲で、すんなりレコ―ディングできました。楽曲の勢いや構成がまずカッコいいですし、リリックもとても好きです。夢を持って上京してきた人や、東京という場所で戦っている人の背中を押せるようなメッセージを伝えられるのが嬉しいですね。




ーGeGさんがプロデュースした3曲目「Baby don't cry」は失恋ソングですよね。

今市:GeGさんは、キャッチーで美しいメロディを作るクリエイターというイメージがあったのでどのような曲になるかすごく期待していましたし、最初に聴いた時に「これはシングル的な立ち位置の曲になるな」と思いました。個人的にも、ミッドバラードとしてすごく好きなテイストで。あと、今回のプロジェクトや三代目に対して熱意を持ってくれていて、かなり細かく20回くらいトラックのやり取りをしたんですよね。その熱意に感動しましたし、それと比例して良い作品になったなと思います。楽曲としては、「花火」「冬物語」「C.O.S.M.O.S. 〜秋桜〜」のような三代目らしい艶っぽいバラードなので、昔から応援してくれているファンの人たちにも懐かしいと思ってもらえるだろうし、新しいリスナーにも何かを届けられる楽曲なんじゃないかな。

ー4曲目の「You got my mind」はGooDeeさんと3Houseさんがプロデュースしています。

今市:3Houseは楽曲や映像もお洒落ですし、今のR&Bをやっているアーティストだと感じていたので、今回一緒にやれるのがすごく嬉しかったです。GooDeeと共作してくれるということだったので、なおさら期待値が高かったですし、上がってきたデモも3Houseが歌ってくれていたので、モチベーションを上げながらレコーディングできました。三代目はこれまでにもR&Bテイストの曲を歌ってきたけど、やっぱりどこかポップス要素があったりもしたので、それとは違うR&Bは、新鮮に感じてもらえるんじゃないかなと思います。

ー以前、3Houseさんにインタビューした際には、フロウをとにかく大切にしていると話していたのが印象的でした。

今市:そのあたりもデモを聴きながら自分なりに解釈して、タイム感や言葉の伝わりやすさを意識しつつ、自分のフィルターを通しながら歌いましたね。

プロデューサー陣の熱意から生まれる相乗効果

ー5曲目の「Lucky」はZot on the WAVEさんがプロデュース、Candeeさんがリリックを手がけました。収録曲の中で最もヒップホップ度数の高い曲ではないかなと。

今市:そうですね。ビート感も含めてすごく今のヒップホップなので、それに対して自分たちをどう合わせていくかを考えました。Zot on the WAVEやCandeeの曲を聴き返して、どういう歌い方がいいのかを試しながら、自分たちのキャラクターやブランドもあるから、良い塩梅を見つけてレコーディングしましたね。曲の中にプロデューサータグもあって、わかりやすく良いコラボレーションができたなと思います。リリックには僕らの代表曲である「R.Y.U.S.E.I.」を感じさせるフレーズもあるし、人生論じゃないですけれども、自分自身がどう生きていくべきかを説いてくれる深いメッセージがあるので、リリックを読みながら聴いてほしいです。

ー続く6曲目の「LIT IT UP」ではKMさんとタッグを組みました。

今市:ソロ活動でお世話になっているChaki Zuluさんを始め、周囲と音楽の話をする中でKMさんの名前は数年前からよく出ていて。ただ、その時は三代目で一緒にやるっていう発想には至らなかった。なので「やっとできる」という気持ちはありました。最初にビートだけ聴かせてもらったんですけど、その時点でめちゃくちゃ低音が効いていて、さらにトップラインも付いたら「めっちゃカッコいい!」みたいな。世界観が強くて、雨が降ってる夜のようなシーンが思い浮かぶ楽曲だと思っていて。映像も駆使して、カッコいいパフォーマンスができそうだなと思いました。ラストのサビにジャジーなフレーズが入っていたり、和のテイストが加えられたりもしていて、色々なスパイスが面白いですよね。BLAZEが炎だとしたら、LIT IT UPはその対になる雨や水の要素がある。そういうところも感じてほしいです。

ーそういった楽曲同士の整合性やバランスは、アルバムを制作しながら考えていったんですか?

今市:今作は“PETAL & THORN”(花びらと棘)の二面性というテーマがあって、強い曲と柔らかい曲に分かれています。ツアーやアルバムを構想する最初の段階で、二面性のあるものをみんなで出し合って表を作ったりしたんです。その中で、炎に対する水、風に対する土のようなエレメントは使いやすかった。そのアイデアは今回のツアーにも反映されてるので、映像も含めて全部を楽しんでほしいですね。



ー7曲目は、今市さんのソロ活動でもおなじみのChaki Zuluさんによる「CRAZY-CRAZY-CRAZY」です。

今市:僕も大好きな、イン・シンクをはじめとする2000年代のボーイズグループを感じさせる曲ですね。Chakiさんはもちろん、T.Kura(GIANT SWING)さんも制作に加わっていただいているんですけれど、彼らは最近数多くの曲を一緒に作っているので、最強の二人が揃ったなっていう感じで。やっぱりChakiさんは、どんなジャンルでも美味しいところを上手く出してくれるっていう印象があるんですよね。この曲も、めちゃくちゃ展開が多い中で、どのセクションにもハッとさせられる部分がある。音数を抑えた間奏のクールさとかも含めて、もうあっぱれというか。シングルになっても全然おかしくない曲で。Chakiさんが三代目と制作をするのは初めてだけど、僕とソロで関わりがあったこともあり、Chakiさんなりの熱意を持ってやっていただきました。リリックも、Chakiさんから見た三代目 J SOUL BROTHERSを表現してくれているので、パフォーマンスにもぜひ期待してほしいです。



ー8曲目の「DEVELOP」は、三代目のセルフプロデュースで、Aile The Shotaさんとの共作ですね。

今市:「DEVELOP」は一番最後に制作した曲で、制作時にはドームツアーをどんどん組み上げていかなきゃいけない段階に入っていました。僕たちはやっぱりライブというものがメインで、一番大切にしている場所なんですけれど、今まで何度もツアーをやってきたアーティストとしての感覚では、もっとアッパーな曲が欲しいということになったんです。だから、今回のドームツアーのテーマソングとまではいかないですけれど、ポイントになる曲だなという風に思っています。

ー9曲目「Make up」は、今市さんのソロに参加していたクリエイティブ・コレクティブのw.a.uとVivaOlaさんがプロデュースしています。

今市:はい。ソロからの流れがあったので、良い関係値の中で三代目でもコラボできました。トータルで3曲ぐらいデモを上げてくれて、結果的に「Make up」をチョイスさせてもらったんですけれど、w.a.uらしさとVivaOlaらしさがめちゃくちゃ出ていて好きですね。今、ドームツアーのボーカルリハもやってるんですけれど、「Make up」を歌ってると無条件でノッてくるというか。歌い手を盛り上げてくれる、“音楽”させてくれる曲だなと思います。それはw.a.uとVivaOlaのセンスですよね。スタジオで話をしていても、世代が一回り以上下だったりするので、音楽に対しての解釈も全然違うから、話していて面白いし刺激になります。ライブで歌うのが楽しみですね。

ーアルバムを締めくくる10曲目の「Best life」は、JIGGさんのプロデュースなのに良い意味で感動的な応援ソングになっているのが面白いなと思いました。

今市:JIGGさんのトラックに、僕のソロでも一緒にやらせてもらっているEIGOさんがトップラインを乗せていて、ヒップホップがベースにありつつ戦略的なメロディラインが乗ることで感動的な曲になりました。温かみのあるバラードに聴こえるけど、この曲はヒップホップ的アプローチのバラードなんですよね。そこも自分たちにとって新しい表現になっているかなと。リリックでは、夢に向かって進む中で何かを失う悲しさ、それに耐えて得られる強さについて歌ってるので、頑張ってる人への応援ソングになればいいなと思います。




ー今作を作り終えたことによって、三代目の新たな可能性やビジョンは何か見えましたか?

今市:色々なプロデューサーを迎えたり、映像を含むイメージを一新したり、チャレンジングな制作だったんですけれど、振り返ってみると今までもずっと挑戦を続けてきたグループだというのは変わっていないので。この先もその姿勢は変わらないだろうな、ずっと挑戦し続けたいなということを再確認できたというか。三代目のブランドはありますけど、それでも気負わず、15年目にも新しい表現ができる嬉しさを噛み締めながら、この生きざまを背中で見せていきたいですね。

ー三代目が今もこういう作品を作ることができるというのは、同じ事務所のLDHの後輩にも良い影響を与えるんじゃないかなと思います。

今市:今回のプロデューサー陣のラインナップを見て、めちゃくちゃハイテンションで話してくる子もいましたね。若い世代の子たちがワクワクしてくれる、刺激を与えられるっていう点でも、今回の挑戦はやってよかったし、自分たちのモチベーションも上がりました。それぞれの世代でやるべきことはありますけれど、やっぱり三代目が最前線で戦うっていう姿勢は変えずにやっていきたいです。






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