★「Lose Control」がカップリングにしておくにはもったいない名作である件 ★
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三代目 J SOUL BROTHERSが2020年4月にリリースした「Movin’on」のカップリング「Lose Control」についてのレビューです。(※Culture Cruise)
この豪華さ、本当にカップリングなのか?
楽曲提供はRock City。
すごい…さすがJSB。Rock City使いの曲がカップリングなのですか!
登坂さん→今市さんとつながる、珍しいBパターン(筆者が勝手に名付けただけ)の譜割りですね。
コーラスはそれぞれご自身の声と重ねられていて、彼らの曲ではよくありますが、実は私の好きなポイントでもあります。
しっかりとパート分けされているところにEXILE TRIBE感があって。ヴォーカル2人がお互いにハモるのもきれいなんですけど。
とは言ってもパフォーマンスの際はヴォーカル2人パターンかもしれないですけどね。ちょっと何言ってるのか分からなくなりました。
曲調としては、特に後半はベースミュージックを系譜とする重めなサウンドが印象的ですが、1曲を通してずーっと沸点が低いんです。2番でも終盤でもずっと。
むしろ最初が最もテンション高くて、音数はどんどん削ぎ落とされています。
日本ではなかなかこういう曲の良さって受け入れられないのですが、世界では全然珍しくないどころか定番化しています。こういう曲を、もっと試してほしいんです。
こういった意見を持つリスナーはきっと少数派なので、やはりカップリング的ポジションでないと難しいとは思います。
それでも彼らが「Movin’on」と並行してリリースしてくれたことは嬉しいですし、きっと音楽番組などでは観ることもないであろうこの曲を、Culture Cruiseではあえて取り上げたいと思いました。
「Lose Control」は2016年にリリースされた「Dream Girl」から引き継いだ内容になっているそうです。
「Dream Girl」も奥深い魅力がある楽曲で、こちらも作詞はTAKANORIさん, ALLYさん。
イニミニなどもそうですし、このおふたりが手がける作品は、ちゃんと曲の中でストーリーが生きていますよね。
アルバム『THE JSB LEGACY』に収録されている「Dream Girl」。ちなみにこのアルバムは超名盤です。
「Dream Girl」のリリースは2016年。4年の時を経て、あの2人がここによみがえったわけですね?
三代目で言うと「蛍」の続編が「恋と愛」であるかのような関連性を感じます。
しかし時間軸で考えると、「Dream Girl」と「Lose Control」は一夜の出来事(という解釈で合っているとするなら)ですよね。
何年か越しの歳月をかけて、かたや輪廻転生について、かたやある夜の出来事を描くという。
人間が持つ「時間」の概念ってミステリアスだと思いませんか?時空を超えたロマンを感じずにはいられません。森羅万象、ユニバース!
何はともあれ、「Lose Control」はサビの部分が完全なるドロップなので、このトラックにのせる歌詞によってかなりイメージも変わると思いますが、理性を失って制御できなくなっていく主人公の様子がリアルに描写されています。
「Dream Girl」はフロアでの出来事に終始していますが、「Lose Control」でその場を抜け出した2人の続きを知ることができるわけですね。
高級車というフレーズがあるので、舞台はきっとラグジュアリーホテルです。
最上階に向かって急上昇するエレベーターとは裏腹に、どんどん琥珀色(アンバー)の瞳の子に落ちていく主人公。という最高にアーバンな対比。
物理的な距離と、心の距離がどんどん縮まっていく様子が刻々と描かれています。これはもう純文学です。
改めて「Dream Girl」から「Lose Control」を繋げて聴いてみると、ヴォーカルの今市さん、登坂さんのストーリーテリング力が格段にアップしている!
アウトロの含みを持たせた空気感も良いし、あのアンバーの瞳の子がより鮮明に映し出されます。
そして「Dream Girl」の名曲ぶりも再び噛みしめたいところ。両曲を比較したり、こういう遊びができるのはリスナーとしての究極の楽しみ方であります。
タイトル曲の「Movin’ on」は、いわば三代目JSBの主軸となるような、メインストリーム路線。
ライブで盛り上がれるような、オーディエンス参加型の楽曲も彼らの魅力を引き出してくれるのですが、JSBのアンダーカルチャーを少しずつでも更新する「Lose Control」や「Dream Girl」のような楽曲も、相変わらず創作してほしいなと思うのです。
本当はこちらをメインストリームに押し上げてくれても大歓迎なんですけど、それはさすがに難しいと思うので高望みはしません。
もちろんそれ以外を否定する気は毛頭ないことは、ずっと記事を読んできてくださっている方には分かっていただけるはずです。
ただ、ストーリー性のある今作のような楽曲や、万人にこそ受け入れられないマイノリティでも、表現力が光るような楽曲。
その魅力を引き出すステージというのも、ファンだけでなくもっと広くアピールしても良いのではないかという気はしました。
2020年、10周年を迎えた三代目 J SOUL BROTHERS。エネルギッシュに解放された「Movin’ on」に対し、7人の表現力が集結して宿る「Lose Control」。
このサブスク主流の時代において、カップリングという概念こそ必要ないのかもしれない。そう思わせる力強さが、本作にはある気がします。
この2曲がパッケージングされていることに、10年間の歴史と経験、三代目へと受け継がれてきたJSBの哲学が刻まれているのかもしれません。