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Special Interview
今市隆二
「CINEMA FIGHTERS project」の第3弾「その瞬間、僕は泣きたくなった」が11月8日(金)に公開。
「On The Way」で主演を務めるのは三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目JSB)のヴォーカル、今市隆二さん。
今作が演技初挑戦となる彼に、メキシコでの撮影裏話や最近“泣きたくなった”こと、そして三代目JSBメンバーとのスマホライフについてうかがいました。
※2019年10月20日時点の情報です。いろいろなことを語ってくれて嬉しすぎです♪
アーティストでも役者でもなく、人間・今市隆二として
―演技初挑戦ですが、アーティストではなく役者として作品に臨まれた心境を教えてください。
隆二:もともと“歌一本で生きていきたい”と強く思っていたのですが、去年のソロ活動で海外のクリエイターとMVを6本撮ったことで、歌と演技の線引きは必要ないのかも…という感覚が芽生えました。ちょうどその頃、このお話をいただけたので、すごくうれしかったです。
―今市さんが主演される「On The Way」は、無気力な日本の若者・健太が、NPO法人の手伝いで訪れたメキシコで移民たちと触れ合う物語です。脚本を読んだときの感想は?
隆二:メキシコという地も初めてで、移民の実情もよく知らず…。もちろん本物の銃を向けられた経験もなく、最初はなかなかイメージできませんでした。それでも準備を万全にしておきたいタイプなので、いろいろなレッスンを受けようとしていたんですが、監督に「絶対に受けないでほしい。今市隆二という人間そのままを撮りたい」と言われました。正直「どうなるんだろう」という感じでしたね。
―そのおかげか、まるでドキュメンタリーを観ているようでした。
隆二:監督の狙いどおりですね。健太の内面に近いものを自分も持っていたので、演じるという感覚はそこまでありませんでしたが、初日にほとんどセリフのないシーンを撮ったとき、20回くらいリテイクしたんです。カメラを向けられるとどこかでアーティストのスイッチが入るのか、構えちゃってたんですよね。監督に「カッコつけるな、隆二」ってガンガン言われて(笑)。自分では素を出したつもりだったからどう変えればいいのかも分かんなくて、結構キツかったですね。
この歳でまさか友達ができるなんて!
―無気力な健太と今市さんが近いものを持っていたというのはちょっと意外です。
隆二:もちろん健太って役名があり、年齢や職業も意識していましたが、実際に演じてみたら感情は結構そのままでした。最初、健太はもっとツンケンしていて「かったりーな」って気持ちでメキシコに行くイメージだったんです。でも、撮ってみるとそうでもなかった。監督も撮影を始めてから「健太ってこういう感じなんだ…」と再発見されていたくらい撮りながら変わっていったので、より自分と近く感じたのかもしれません。
―撮影で印象に残ったことはありますか?
隆二:とにかく監督とあのチームに出会えたことですね。監督が心から「いいの撮れたー!」って喜んでくれたときは、めちゃくちゃ安心しました。
―メキシコ人の共演者の方々とはいかがでしたか?
隆二:健太と一緒に行動するダニエル役のパコ・ニコラスってやつがいるんですけど(話しながらどんどん笑顔に)、まさか33歳にもなってこんなに話せる友達ができるとは思っていなかったです、本当に! 結構フザけたキャラで、メキシコの人なのでいい意味でなれなれしかったんですよね。今も連絡を取り合っていて、自分にとっては「友達ができた」みたいな感じです。監督とも連絡を取り合っていますし、何かそういうチームでできたことが自分の中ではすごく大きな財産になりました。監督も「また隆二とやりたい」と言ってくれているので、また何かやれたらいいなと思っています。
―今市さんは基本的にそうやってすぐに仲良くなれるタイプですか?
隆二:もともとはそういうタイプでした。でもアーティスト活動を長くやっていると、なかなかそういう気持ちになりづらくなっていて…。だけど、今回はそれがナチュラルにできて、本当にいいチームだったと今でも思います。
―本作は今市さんがアーティストとして歌われた「Church by the sea」の歌詞をもとに作られた物語です。撮影を終えて曲の印象は変わりましたか?
隆二:帰国するとき、空港で何気なくこの曲を聴いたら今までと全く違うふうに聴こえたんです。こんなに違うんだって、自分でも詞の世界の広がりをすごく感じて、特別な曲になりました。
ラスベガスで思わず涙!? リムジンの思い出
―演技の経験を経て、何か自分の変化を感じることは?
隆二:変わっている部分はもしかしたらあるのかもしれないですけど、今は分からないですね。でも、メキシコの移民の方たちの現状をリアルに感じて、すごく深く考えさせられました。音楽で直接的に何かできるわけではないですが、でも自分がやるべきことはそれだし…アーティスト活動をやっていく上での視野が広がった気がします。実際、映画に取り上げることは、移民センターにとってギャングに狙われるリスクにもなり得るそうなんです。でも、もっと現状を知ってほしいと撮影に協力してくれたので、この映画を通して考えてくれる人が増えるとうれしいですね。
―ありがとうございます。プロジェクト第3弾のテーマ「その瞬間、僕は泣きたくなった」にちなんで、最近今市さんが泣きたくなった瞬間は?
隆二:「いま、会いにゆきます」という映画を韓国でリメイクした「Be With You ~いま、会いにゆきます」を観て泣きましたね。同じ女優さんの映画「私の頭の中の消しゴム」も大好きなんです。最近はテレビでドキュメンタリーを観ていてもグッとくるというか、年々感情移入しやすくなっています。年を重ねた分、自分自身が経験したことを投影しているからだと思うんですけど。どんどん涙もろくなっているかもしれないです。
―ちなみに、失敗して泣きたくなったことは?
隆二:先日ラスベガスでブルーノ・マーズのライブを観に行ったんです。ホテル側が貸してくれたリムジンでライブ会場へ向かったんですけど、自分がネットで調べた住所が間違っていて、別の場所に着いちゃって!リムジンに乗ってすごく気分も良かったのに、結局そこからタクシーで向かいました(笑)。時間も結構ギリギリで、ほんと泣きたくなりましたね。
インスタ以外は全部「影」って!?
―続いて今市さんのスマホライフについて教えてください。三代目JSBのメンバーの中で、SNSを始めたのは遅いほうでしたね。
隆二:遅かったですね。昨年のソロ活動で海外のクリエイターとご一緒させてもらったことが大きかったです。世界と繋がれるツールだと気づいて、それだけの理由で始めさせてもらいました。
―投稿するときのこだわりはありますか?
隆二:インスタグラムは1つの作品というイメージで、あまり生活感を見せないようにしています。ちゃんと自分で納得がいったものを上げていく感じですね。その分、ツイッターは「おやすみzzz(絵文字)」とか、そのとき思ったことを直感的に上げています。
―スマホのロック画面やホーム画面にこだわりは?
隆二:まったくないです。ロック画面もそのままです。そういうの本当に苦手で…LINEとかも、あの、影ですし(←簡素化した上半身を宙に描きながら)。
―影…!?(一同爆笑) あ、プロフィール画像が元のシルエットのままということですね?
隆二:そうです(笑)。インスタはいろんな人に教えてもらって、少しずつ勉強しながらやっていますけど、基本はもう、影ですね…。
三代目JSBメンバー、グループLINE事情は!?
―メッセージアプリなどのやりとはどんなタイプですか?
隆二:LINEの返事はめっちゃくちゃ短いです。文章が短いというより、了解だったら「り」で済ませるくらい。
―若者文化ですね…!
隆二:え、若いですか!? 若者もそうなんですか!? え、逆に恥ずかしいですね…言わなきゃよかったです(照)。←ここめっちゃ可愛いよ
―(笑)。周囲もそれで通じるんですね。
隆二:そうですね、三代目JSBのメンバーも短い人が多いですし。
―スタンプを使うことは?
隆二:(高須クリニックの)高須院長のスタンプが三代目JSBのグループLINEで大流行してたんですけど、最近はそのブームも収まって、文章だけのシンプルなLINEが多いですね。
隆二:身近な人とかメンバーとか、本当に気を遣わない人にはいかに短く、絵文字もなし、「。」もなしみたいな。そんなのが多いかもしれないです。でも絵文字って、難しくないですか?
―というのは?
隆二:絵文字上では笑っているけど、本当のテンションは分からないというか。たとえば「お疲れさまでした~(絵文字)」という一言も、絵文字から伝わる雰囲気と本心が違う可能性もあるじゃないですか。だからちょっと怖いなって思うときがあります(笑)。
―その奥の本心を気にするタイプなんでしょうか?
隆二:いや、そんなには気にしないですけど、同じだといいなぁとは思います。
―ちなみにSNSでは、今市さんもテンション高めな絵文字を使われているような気が…。
隆二:あ、自分は絵文字とそのときのテンションは結構近いと思いますよ(笑)。
日常とアーティスト活動をつなぐスマホ
―では、お仕事にスマホが役立っている実感はありますか?
隆二:もう、仕事の連絡に欠かせないです。効率がよくて便利だなと思います。ですがスマホだけで済ますと重要なことが薄まる感じもするので、直接会って話す労力も惜しみたくないですね。
―アーティスト活動のツールとしてはいかがですか?
隆二:最近は歌詞をスマホのメモにためています。以前は「よし書くぞ!」って仕事部屋にこもってノートに書いていたんですけど、歌詞って移動中が一番生まれやすいんですよ。だから「これ使えるな」ってことは全部、いつどこにいてもスマホにメモしています。僕の日常とアーティスト活動を、今はスマホがナチュラルにつなげてくれている気がしますね。
―それでは最後に、映画のPRをお願いします。
隆二:この『CINEMA FIGHTERS project』は、5つの短編作品それぞれ世界観もストーリーも監督も違うので、見どころがたくさんあると思います。その中でも僕の「On The Way」は、他人には言えない胸に秘めた想いを持っていても強く生きなきゃいけない、というメッセージが描かれているので、誰かの背中を押せるような作品になったらいいなと感じています。